お父やんとオジさん – 伊集院静


私が神童といわれた幼少の頃、朝鮮民族を見下げるようなことがあったと記憶している。私にとってそれは重たく心に残る出来事でもなければそれが肌に染み込んでいるわけでもない。

単に同じ肌の色を持つ同じ顔立ちの人たちだ。

長い年月を経て今に至る人間は、小さな部落から移動して混じり合い、さらに遠くへ移動して混じり合い、足以外の移動手段を手に入れてさらに遠くの人間と混じり合い、そんなことが繰り返されているのだから、ひょっとすると隣りの人とはとっても遠い親戚かもしれない。地球の反対側に血のつながりがあるかもしれない。徳川家、夏目家、織田家とも、ともすればつながりがあるやも知れない。朝鮮民族とのつながり、アイヌ民族とのつながり、沖縄民族とのつながり、近いだけにあって当たり前だろう。

しかし、人間は敢えて壁を作って敵を作り、グローバルと言いながらも小さく小さくまとまろうとする。

日本は島国だから壁を作らずとも他国と海という壁に隔てられていて、他国を敵としていろいろとやってしまった。

が、それらも含めて混じり合いは続いている。

この小説は日本と韓国が舞台、第二次世界大戦終結後に始まった朝鮮戦争を生きた韓国人が主人公。作者の意志を知る由はないが、生きることの大切さと強く生き抜くことが印象深い。

最後には、迂闊にもまんまと感動させられてしまったことにツボを抑えた作者の上手さもうかがえる。

良い!

お父(とう)やんとオジさん
伊集院静(いじゅういんしずか)著
講談社
2010年6月7日 第1刷発行

お父やんとオジさん 伊集院静

お父やんとオジさん 伊集院静

最後に訂正を。神童と呼ばれたことは一度もありません。

広告
About

I'm lynsky. Live in Tokyo. Love rock, Apple and motorcycle. Have two children.

タグ:
カテゴリー: ほんとよみもの

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

♪ カレンダー ♪
2011年12月
« 11月   1月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

現在10人フォロワーがいます。

横浜マラソン
東京マラソン2015年3月月15日
横浜マラソン開催
♪ Le Club PEUGEOT ♪
♪ PEUGEOT OFFICIAL BLOG RING

表示できない(;;)